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2020/2/1 0:01

伝統技法「版築」を現代建築にアレンジ!「版築仕上げ」の魅力



皆様、こんにちは。
埼玉県さいたま市を拠点として関東全域で、一般住宅からビル、店舗などの内装左官・外装左官を手掛けている美匠です。

みなさんは、伝統的な「版築(はんちく)」という技法をご存じでしょうか?古代から土壁や城郭に用いられてきましたが、時間やコストがかかるため、高級旅館や大型施設での施工など限られた場所でしか見られなくなっていました。

しかし、最近、「塗り版築」という新しい工法が確立されたことにより、再び注目を集めるようになってきているのです。
(画像出典:アイカ工業HP)


■伝統技法「版築」とは

「版築」とは、板などで囲った部分に、上から土を流し込んで突いて固める作業を繰り返すことで強固な土壁や基礎部分を作る工法です。枠板を外した時に、地層のような特徴的な模様が表れます。

黄土が堆積した中国の黄河流域で発展し、万里の長城や始皇帝陵、民家に至るまで、版築の工法が幅広く使われていました。

日本でも、家屋の壁や城郭の土塁に使われ、弥生時代の吉野ヶ里遺跡や高松塚古墳、法隆寺の築地塀、武蔵国分尼寺金堂基壇などさまざまな場所で見ることができます。


(法隆寺の築地塀)


■現代建築の新技術「塗り版築」とは

伝統ある版築の重厚な模様を現代建築の技術で再現したのが、左官技術のひとつ「塗り版築」「版築仕上げ」です。

版築は本来、型枠を作って土を積み上げていく、非常に手間と時間がかかる工法です。そこで、地層が重なりあった版築の風合いを表現する新たな手法を模索したことにより、「塗り版築」という仕上げ技法が生み出されたのです。




■塗り版築の仕上げ方法

塗り版築は、左官の材料と手法で以下のように仕上げていきます。

1.墨出し
まずは設計図をもとに壁に地層のラインを書き出します。塗り版築の技法が完成されたことで、伝統的な版築の横ラインだけでなく、美しいカーブが折り重なった模様も表現できるようになりました。

2.下塗り
壁の下塗りをしておきます。

3.材料
色ごとに塗材を調合撹拌(かくはん)して用意します。

4.層ごとに仕切り
塗り分ける層に仕切りのバックアップ材を貼ります。

5.塗り
塗材をバックアップ材に乗せながら、コテで押さえて塗っていきます。乾いたらバックアップ材は取り外します。この作業を繰り返していきます。

塗り版築がきれいに仕上がるかどうかは、左官職人の腕にかかってきます。施工の難易度が高く、塗り版築ができる施工店は限られています。




■ジョリパット爽土の特徴

塗り版築には、天然土を混合させた「ジョリパット爽土」がおすすめです。

・ジョリパット爽土の特徴
ジョリパッド爽土は、顔料を使わずに、天然の土の色や雲母(まいか)粉だけで発色させているので、自然素材の優しい色合いが表現できます。土壁の風合いが再現できる塗料なので、版築仕上げに最適です。

「淡路土」「淡路浅黄土」「淡路淡紅土」「美濃白土」「京黄土」「薩摩黒土」「美濃木節粘土」「京聚楽土」「白雲母」の9色があります。2色の土を混ぜることによって、グラデーションを作るなど豊富な色調を表現できます。



さらに、掻き落とし・刷毛(はけ)引き・削り出し・塗り放しなど左官の表面仕上げの技術を使うことにより、壁に表情の変化をつけられます。




・ジョリパット爽土の注意点
土やワラスサなどの天然素材を使用しているので、土の色褪せやワラスサの変色が起こることがあります。また、施工環境によっては表面にひび割れが起きたり、色ブレが発生したりする可能性があります。手でこすったときに土が落ちてくることがあるので、取り扱いに注意が必要です。




■ジョリパット爽土の版築仕上げ

塗り壁の仕上げに使われるジョリパットが普及したことで、住宅建築にも左官を取り入れやすくなりました。さらに天然土を混ぜる「ジョリパッド爽土」を使用すれば、自然素材の味わいを表現できます。「ジョリパッド爽土」で版築仕上げをすることで、重厚で趣のある壁を作り出せるようになったのです。

美匠ではこのような版築仕上げにも対応していますので、興味を持たれた方はぜひお気軽にご相談ください。

<美匠へのお問い合わせ>
TEL. 048-642-5506